森下文化センター(江東区森下3)で1月11日、「第10回のらくろマンガ賞」の授賞式が行われた。
大日本雄辨會講談社(現・講談社)の雑誌「少年倶楽部」に1931年から連載され、日本アニメーションの黎明(れいめい)期を支えた「のらくろ」。同漫画賞は、のらくろ作者の田河水泡さんが深川で育ったことにちなみ、2005年に創設された。
審査委員は漫画家の永田竹丸さん、山根青鬼さん、江波じょうじさん、たちいりハルコさんら4人。「区長特別賞」を始め、「コマ部門」「イラスト部門」「ストーリー部門」それぞれ大賞、優秀賞、佳作と、10周年記念として「皆勤賞(全10回全部に応募)」、今までの応募作品の中から選ぶ「ベスト・オブ・ベスト賞」の6賞が選ばれ、各部門計38作品が受賞した。
10周年の記念回として、山﨑孝明江東区長も出席。国内外の幅広い世代から応募があり、総数は212点に上った。山崎区長は丹念に作品を見て回り、受賞式では「海外で日本の漫画が注目されている」と、区を代表するこの同賞の重要性を語った。また、田河水泡さんの長男高見澤邦郎さんが出席し、父親田河さんの晩年、入院生活の思い出を話し、父親を忍ぶ場面も。
力作ぞろいで応募の常連も並ぶ中、区長特別賞・コマ漫画の部ジュニア大賞を受賞した森下在住の深川小学校4年生・髙橋結希さんに注目が集まった。審査員からの講評では、高橋さんの作品「私のいろんなうれしいこと」の色合いとバランスの良さが話題となった。髙橋さんは「受賞はとてもうれしい。休みの日に一生懸命作品を描いていた」と作品制作の日々を振り返った。
「ベスト・オブ・ベスト賞」は、第1回大賞、前川達洋さんの作品「プレゼント」が受賞した。