清澄白河の「GLASS-LAB」(江東区平野1、TEL 03-6318-9407)が2月より、ガラス加工業「椎名硝子(がらす)」(同)の工場見学の受け入れを開始した。
同社は、1950(昭和25)年創業の「椎名硝子」の長男・椎名隆行さんが、不動産ポータルサイトの制作会社に務めていた経験を生かして独立開業。家業の技術を生かし、グラスにイラストやメッセージを刻む「カスタマイズグラス」をはじめ、ガラス製品をインターネット販売している。
工場見学の発案は、椎名さんの地域活性への思いと、「家業の工場に対する意識の変化」から。「以前は『汚い』としか思っていなかった工場が、あらためて見るととてもノスタルジーに感じた」と椎名さん。試しに友人を招いて工場見学を行ったところ、好評を得たことから、工場が休みとなる週末に見学開放することとなった。
「椎名硝子」は、ガラスの時計枠、トロフィー・オブジェなどのガラス面を平面研磨する「平物(ひらもの)」の加工を行う。工場には粗いものから細かいものまで研磨機をはじめ、加工機が複数並ぶ。現在では同業者の数も減少し、戦後すぐの最盛期と比べ10分の1ほどの数になってしまったという。
椎名さんは「近年、コーヒー店が複数オープンするなど、このエリアが活気づいている。自分は地元を愛しているので、地元の人間としてもっと発信し、地域の一つのハブになりたい」と意気込む。「ゆくゆくは、夏に町内で担ぐみこしの魅力も発信したい」とも。
工場見学は土曜・日曜に実施。対応時間は10時~16時。参加無料。事前予約が必要。