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門前仲町のせんべい店がひなあられ最盛期-職人技でコメから手作り

でき上がった通称「ふうせん」と呼ばれるひなあられ。さまざまな形があるのも手作りならでは

でき上がった通称「ふうせん」と呼ばれるひなあられ。さまざまな形があるのも手作りならでは

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 門前仲町のせんべい店「みなとや」(江東区門前仲町2、TEL 0120-80-3708)が現在、3月の「桃の節句」を前にひなあられ生産の最盛期を迎えている。

職人の浅沼竜登さん

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 創業の1948(昭和23)年から、変わらぬ製法で手作りされる同店のひなあられ。例年1月中旬から2月下旬までが生産のピークとなる。

 スーパーなどの商品の原材料は小麦粉やでんぷんが主流だが、同店では通常のせんべいなどと同様にコメから作る。3代目店主の青木毅司(たかし)さん(40)は「手間が多く、機械化して大量生産しているところが多い。全て手作りなのはうちだけではないか」と話す。

 同店で作られるひなあられは、「ふうせん」と呼ばれる丸く膨れたものと、「まるだね」と呼ばれるコメの形をしたもの。「まるだね」を作る際のコメを「爆(は)ぜる」工程のみ外注し、残りの作業は全て同店で行っている。

 「ふうせん」を作る際、使うコメは1回につきおよそ2斗(30キロほど)。工程は以下の通り。砂糖を混ぜて餅をつき、伸ばして、1センチ角ほどの大きさに切る。数日寝かせた後、「いり機」と呼ばれる機械で焼く。紙吹雪のような四角い餅が、回しながら焼くことで次第に丸くなり、砂糖をかけて数時間乾燥させてでき上がる。シンプルな工程だが、伸ばした餅の厚さを均一にするため生地を削(そ)ぐなど細かな手間が加えられ、1度の生産におよそ1週間かかるという。コメの出来や配合する砂糖の加減によっても、膨らまないことがあるそう。

 砂糖がけでは、小鍋に水と砂糖を入れて煮詰め、しゃもじに泡が乗る絶妙のタイミングで火から下ろし、即座に焼き上がったあられにまぶしていく。最初は粒と粒がくっついているように見えるが、次第に音も軽やかになり、あられにうっすらと白いコーティングがされる。サクッと口溶けのよいほのかな甘さで、その味が気に入って毎年注文を入れる幼稚園の園長もいるという。

 菓子職人の浅沼竜登(りゅうと)さん(35)は「手間暇かかるため辞めてしまう職人も多いが、こういう文化を無くしてはいけないと思う」と強い意志を見せる。青木さんは「ひなあられをはじめ、節分の豆や七五三のちとせあめなど、日本の季節の行事を守っていくというのもうちのような菓子屋の仕事」とも。

 営業時間は10時~19時30分。ひなあられは、「ふうせん」(60グラム)、「まぜ(ふうせんと米を混ぜたもの)」(70グラム)、「米」(80グラム、以上380円)。

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