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東京都現代美術館で「コレクション・ビカミング」-開館20周年の記念企画

伊藤公象「アルミナのエロス(白い固形は・・・)」1984-2009年  撮影:内田芳孝

伊藤公象「アルミナのエロス(白い固形は・・・)」1984-2009年  撮影:内田芳孝

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 木場公園内にある「東京都現代美術館」(江東区三好4)で現在、開館20周年を記念した特別企画「コレクション・ビカミング」が開催されている。

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 同館は1995年3月に開館。上野の「東京都美術館」(台東区)の収蔵作品を核とする形で、日本の戦後美術を中心に、現代美術を体系的に研究・収集・保存・展示している。

 昨年に続き第3弾となる同展。同館コレクションの「活動の実際」に焦点を置き、主に「収集」「保存」「公開」について構成する。また、同館の収集方針の一つ「首都東京、国際都市東京の美術館にふさわしい美術資料の収集を図り、常設展示の一層の充実を目指す」という考えの下、「東京クロニクル」と題した展示も行っている。

 展示は多方面の切り口から構成。同館所蔵作品の目玉の一つ、ロイ・リキテンスタインの「ヘア・リボンの少女」をはじめ、作品の「来歴」を絵画の裏側からひも解く展示も。作家の手を離れ同館に所蔵されるまで、いつ、どこの美術館で、どのような企画展で展示されてきたかをうかがい知るステッカーが裏面に貼られていることを鑑賞できる。作品の表はもちろん、裏面からも楽しめる仕組みとなっている。

 「作家たちの言葉と作品」のカテゴリーでは、現代を代表する作家の作品とともに、作家インタビューや作品への思いをまとめた「学校用ビデオ教材」の閲覧コーナーも。作品を鑑賞しながら、同時にその作品に対する作家の「意思・意図」を知ることができる。

 「制作委託と新収蔵品」のカテゴリーでは、同館から作家に制作を依頼し、新たに空間を形成した様子が垣間見える内容。赤色のLEDが異なるスピードで1~9を無数にカウントする、宮島達男の「それらは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く」が、暗い空間に独特の赤い光を放っている。後に収蔵された横尾忠則の「暗夜光路 赤い闇から」と「運命」の2点と相まって、独特の空間をつくり上げている。

 1階のアトリウムに展示されている伊藤公象の「アルミナのエロス(白い固形は・・・)」は、1984年の発表時から今日まで何度も姿を変えてきた作品。アルミナ(酸化アルミニウム)と長石の粉末を混合し、高温で焼成されたピースで作品は構成され、実際にサンプルを触ることもできる。広報課の中島三保子さんは「当館ならではの吹き抜けのアトリウムを生かした作品となり、建物のダイナミックさも同時に伝えることができる」と話す。

 開館時間は10時~18時(入場は閉館の30分前まで)。月曜休館(5月4日は開館、同7日は休館)。観覧料は、一般=500円、大学生=400円、65歳以上・高校生=250円、中学生以下無料。6月28日まで。

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