清澄公園前に7月5日、雑貨店「ALL（オール）」（江東区清澄2、TEL 03-3820-9223）がオープンした。運営はデザインコンサルタント会社「プロペラデザイン」（同）で、自社でデザインした商品のアンテナショップとしてオフィスに併設した。

ブラシ職人シリーズ

　同社は2003年に東京・八丁堀でプロダクトデザイナーの手槌りかさんが設立、5年前に同所に移転した。現在は6人の女性スタッフが所属し、店頭でのヒアリングや商品説明も行う。「使いやすさはもちろん、クライアントの期待以上の付加価値を生み出す提案をすることにこだわっている」と手槌さん。商品デザインからパッケージ開発、販売コンサルタントまでを手掛け、グッドデザイン賞も多数受賞している。

　店舗面積は約8平方メートル。店内にキッチン、浴室・洗面台周り、掃除用品やアロマディフューザーなど50種類のアイテムをそろえる。売れ筋は、歯磨きの後に水が切れる「タンブラー」（540円）、野菜の形に沿って本体が曲がり泥を取る「野菜洗い丸まるブラシ」（842円）、凹凸のある床の黒ずみを落とす「バス床ブラシ」（799円）、伸縮しシーツや着物も干せる「バスタオルハンガー2」（2本組・864円）など。

　手槌さんは「店を開いてからエンドユーザーのイメージを持ちやすくなった。生の声を聞き、デザインや販売方法を多角的に見られるようになったことで、売りっぱなしにしない、責任を持ったデザイン活動につながると思っている」と話す。

　2012年からは新しい試みも。スタッフがラオスやタイに渡り、現地で自分たちが貢献できることを見つけてものづくりに関わるプロジェクトを行っている。ラオス北部の村でオーガニックコットンや藍を栽培、手紡ぎ・手織りするストールを企画し同店で販売している。「地域でとれるものでいかに完結させて作るか、村の人たちが長い間潤うシステムを考えることで、制作活動に深みが出たように思う」とも。

　今後は「喜んでもらえるものをたくさん開発して並べたい。ここをきっかけに商品を知ってもらうことで、他にも取り扱ってくれる店などが増えることを目指す」と意気込む。

　営業時間は10時～18時。不在の場合もあるため、来店時は電話かフェイスブックでの確認を呼び掛ける。