江東区大島在住の現役チアリーダー・山口紗貴子さん(39)が4月15日、アメリカン・フットボールの最高峰・米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)のチアリーダー入団試験に挑戦する。
米国の「国技」の一つであるアメリカン・フットボール。NFLの人気は大リーグをしのぐともいわれている。NFLチアリーダーは、試合中、サイドラインで華やかに踊るなど、チームや試合に花を添える「12番目の選手」という存在。アメリカ女性の「ロールモデル(社会の見本)」という存在でもあり、ダンスのみならず、心身ともに優れ、知的かつ自立心を持ち合わせた女性であることが求められる。
山口さんは4歳からモダンバレエを始め、当時から踊ることが好きだったという。高校3年時、玉川大学の学園祭で名門チアダンスチーム「JULIAS(ジュリアス)」のパフォーマンスに衝撃を受けて、自身も同大に進み、同チームのメンバーになった。
卒業後、輸入オフィス家具会社の営業職を行いながら、数々のチアリーディング団体に所属。2006~2010年は、日本の社会人アメリカン・フットボール・Xリーグの「オービック・シーガルズ」(千葉県)専属チアリーダーとして活躍。2007年には、「チアリーディング・オブ・ザ・イヤー」にチームが輝いた。2010年の頂上決戦「ライスボウル(学生チャンピオン×社会人チャンピオンの試合)」での優勝時には、「ルールがわからなくても楽しめる応援」をモットーに演出を考えたという。
2014~2017年までは、バスケットボールプロリーグ・Bリーグ「福島ファイヤーボンズ」(福島県)の専属チアリーダーに。同チームは、東日本大震災後に結成されたチームで、結成初年度はチアの経験者が少ないということから、山口さんに経験者として白羽の矢が立った。山口さんは「スポーツの力で福島県を盛り上げられる、そこに自分のキャリアが生かせるのであれば、ぜひ力になりたいと思った」と当時を振り返る。
山口さんがNFLへの挑戦を始めて今年で5年目。きっかけは、友人のNFLチアリーダーの合格を機に訪れた現地の試合。試合規模や観客数もさることながら、チアリーダーのパフォーマンスの迫力と、個人の個性が光るセクシーさがあることからこの空間でチアリーダーとしてパフォーマンスをしたい、と強く思ったそう。それから、ダンスや語学、健康的で凹凸のある体型を作るなど、努力を重ねたという。その結果、昨年は合格目前まで進んだものの、就労ビザの関係で入団許可が降りないという悔しい思いをしたため、今回に賭ける意気込みも強いという。
山口さんは「何かを目指すのに、始めるのが遅いことは無いということを証明したい。現在39歳だが、努力次第で体型もダンスも20歳の子に負けないと信じている」と力強い。「今回は、1年間現地での基盤をつくり、オーディションのために準備をしてきた。絶対に合格して、すべての女性の星となれるように頑張る」とも。