第五大島小学校(江東区大島5)で12月20日、国立天文台の出張授業「ふれあい天文学」が行われた。
「全国の子どもたちと天文学者が出会う機会があれば、さまざまな化学反応が起こるのでは」という発想から始まった同施設の活動。2010年より実施されている。今回は同校4年~6年の児童64人と保護者20人が参加した。
講師の林正彦さんは、現在の同施設の台長で同区在住。すばる望遠鏡の建設にも携わった経歴を持つ。
内容は、1部は子どもたちに向けて、地球から宇宙まで自由に移動できる映像をプロジェクターで映し出し、宇宙の成り立ちについて講演が行われた。映像が地球から飛び出し、多くの惑星や星が現れると、子どもたちからは「すごい」「きれい」という声が上がった。
2部では、「宇宙に生命が存在するのか」などの内容を、科学的なアプローチで証明しようとする研究の成果について講演が行われた。どちらかと言えば保護者向けの内容だったにもかかわらず、多くの児童も耳を傾けていた。
最後の質問コーナーでは、児童から「ブラックホールはなぜ、ものを吸い込むのか」という質問が上がり、林さんは「ブラックホールは周りのものに比べて質量があるだけ。吸い込まれるには相当な速さでブラックホールに向かう必要があり、吸い込まれそうになっただけでニュースになるほど」と、分かりやすく答えた。
参加した女児は「自分で宇宙について調べたことはなかったので、これから勉強に生かしたい」と話していた。授業を終えた林さんは「多くの子どもたちが宇宙に興味を持ち楽しんで聞いてくれた。何事も『疑問』を持つことが重要。まずは星空を見上げて『何でだろう』と思うことが大切」と話した。