東京海洋大学越中島キャンパス(江東区越中島2)で「海の日」の7月18日、展示室と視聴覚設備のあるセミナールームを有する「明治丸記念館」がオープンし、特別展「明治丸140年ものがたり~その船影を辿(たど)る~」が始まる。
明治丸を「ロイヤルシップ」「はたらく」「練習船」「重要文化財」「地域」の5つのカテゴリーで展示する同館。明治初期、ロイヤルシップの役割を兼ねた「灯台巡視船」として建造された同船の軌跡を分かりやすく紹介する。展示品は、写真を中心に食器などの調度品や、伊藤博文による「明治丸回航指令書」や明治期に描かれた修繕の図や浮世絵など、学術的にも価値の高い貴重な資料をそろえる。そのほか、大学や周辺の昔の写真などを壁面の大型ディスプレーに映し、同大OBのボランティアによる解説もある。
「明治丸に関連する資料を所蔵していたものの展示場所がなく公開されずにいたが、記念館の完成で展示できるようになった」と海事ミュージアム事務室の天野綾乃さん。「公開を待ち望んでいたファンの方はもちろん、分かりやすい展示内容なので、明治丸を知らない方、女性、お子さまにもぜひ見に来てほしい」とも。
館内では、昨年より公募していた「明治丸フォトコンテスト」の入賞作品をはじめ、応募者全員の写真200点以上も展示。グランプリ作品の「明治丸さん、あたしについといで」は、子どもの姿と同船をユーモラスに表現した作品で、選考について、「明治丸と人との関わりや季節感のあるもの」と天野さん。今後は写真だけでなく、子どもが参加できるような絵画コンテストなども行いたいという。
オープン当日は、同キャンパスで「海の日」にちなんでイベントも開催。研究室による展示や解説、セミナー、小学生~高校生が参加できる電子工作、アニメーション上映、史跡巡りやロープワーク教室、シンポジウムなどを予定する。
開館時間は10時~15時。入館無料。開館日は火曜~金曜、第1・3土曜(祝日は休館)。入館無料。イベント開催時間は10時~16時(9時30分開場)。企画展は9月30日まで。