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清澄白河発、日傘作家とギャラリストのトークショー 福岡に遠征

自身の作品を持つひがしさん。「今年も傘を描けてうれしい」と話す

自身の作品を持つひがしさん。「今年も傘を描けてうれしい」と話す

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 清澄白河エリアを拠点に活躍する日傘作家のひがしちかさんと、「ANDO GALLERY」(江東区平野3、TEL 03-5620-2165)のオーナーでギャラリストの安東孝一さんが5月21日、福岡市内でトークショーを行う。

ひがしさんの宝物

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 きっかけは会場となる「スリービーポッターズ」(福岡市)の関係者が安東さんの後輩だったことから。安東さんにトークショーの依頼が入った際、独特の色彩と世界観を「傘」で表現するひがしさんに白羽の矢が当たった。

 日傘をはじめ、雨傘やレイングッズを販売する「Coci la elle(コシラエル)」(三好2)のオーナーでもあるひがしさんは長崎県出身。絵を描くことが好きな少女時代を過ごし、ファッション雑誌の中の世界に魅了されて服飾デザイナーを志す。文化服装学院(新宿区)で学んだ後、アパレルメーカー就職したが、憧れの、大好きな現場にもかかわらず、次から次へと新しいものが作られ、一生懸命思いを込めて作ったものが次々とセール品になってしまう現実を目の当たりにして疑問を感じ、「自分は洋服を作る人ではない」と直感したという。

 退職後、ひがしさんは「自分は何をして生きて行く人間なんだろう」と思い悩んだという。「『絵を描きたい』との気持ちはずっとありました。でもそんな時シングルマザーになりまして。『この子を食べさせなきゃいけない』って状況になって」。幼子と生きるため、派遣やバイトなどを転々とする中、やりたいことと、しなければいけないことの間で「生きた心地がしなかった」という。

 「自分の人生を好きになるために」と思い悩んだ末、ひがしさんがたどり着いたものはやはり「絵」。生活のためにお金に変えなくてはいけない状況で、「何に絵を描けば、ものづくりをすれば作り手の思いが込められるか」と長いこと考えたという。その時目に入ったのが、かつて自分が絵を描いた白い日傘。ここから日傘作家の活動が始まる。

 2010年7月に初の個展を開催。目黒区の母子寮から、他のアーティスト2人と浅草橋のアトリエを借りて移り住み、その後、「名前がきれいだった」と清澄白河エリアに訪れ、現店舗(当時工場跡)にアトリエを構え、しばらくは娘と暮らしていたという。そして2015年3月、同店をオープンした。

 「自然の美しさに感動し、その自然をそのまま描くのではなく、感動した心から生まれる人の気持ちを描きたい」とひがしさん。昨日見た夕日の美しさや、ゆで上がった枝豆の鮮やかな緑、色と色を重ねた一瞬に生まれるにじみなどを作品(商品)に表現している。

 トークショーでは日傘作家としての話のほか、安東さんとの掛け合いにも注目。「進行など安東さんに全てお任せしようと思っています」とほほ笑む。

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