「東京メトロ 新木場車両基地」(江東区新木場4)隣に4月1日、同社の「総合研修訓練センター」が開所した。
中野富士見町(中野区)をはじめ、首都圏各所に点在していた各部門の研修施設を統合した同センター。敷地面積は約2万7000平方メートル、延べ床面積は約1万9000平方メートル。
「メトロで起きうる全てのことはここで起こせる」をテーマに、駅、軌道、トンネル、橋梁(きょうりょう)など、メトロに関わるすべての施設を再現した。5階建ての研修棟のほか、営業線に準じた「訓練線」も敷設され、今まで営業後車両基地で行っていた訓練が制約を受けることなく行うことができ、部門間の連携を深めながら訓練することができるという。
「安全意識の高い企業風土の構築」を目指し、研修棟には「安全繋想館(あんぜんけいそうかん)」(旧「事故に学ぶ展示室」)を併設。2000年に発生した日比谷線列車脱線衝突事故後に入社した社員が同社社員の56%を占める点を踏まえて、過去の事故資料の展示から教訓を伝え・学ぶ施設となっている。
奥義光社長は「鉄道事業に携わるものは、安全確保に関して大変重い責任を担っている。一度事故を起こせば取り返しのつかないことになることを、目・耳・心でしっかりと受け止めてほしい」と話す。
堂免敬一センター長は「お客さまに安心・安全を提供し、地下鉄への信頼を獲得し続けるため、グループ社員の腕を磨き、総合力・現場力を高めていきたい」と意気込む。
現在、一般公開の予定はないが、隣接する車両基地イベントの際には同センターの一部を使う可能性もあるという。