「高橋(たかばし)のらくろード(高橋商店街、江東区高橋)」で12月6日、「のら天市場」が行われ、音楽アートイベント「ノラビートニク」も同時開催された。
日本アニメの初期の代表作「のらくろ」の作者・田河水泡さんが、かつてこの周辺に住んでいたことにちなんで名付けられた同商店街。毎週日曜・祝日は歩行者天国になる。
「のら天市場」は、同商店街で春と秋に行われているイベント。秋開催では「野菜の無料配布」(先着順)なども行われる。今回は、元小結・豊真将さんが中心となり錣山部屋(しころやまべや)によるちゃんこ鍋も配られた。きっかけは商店街関係者が同部屋へ声を掛けたことから。鍋を中心に、相撲取りとの交流の輪も広がり、にぎわいを見せた。
ノラビートニク主催のTaka Sakaiさんは、「今春行った第1回開催では、踊れる歌謡曲中心の選曲だったが、今回はライブペインター・DJの作家性を押し出し、聞き手の純粋な知的好奇心を刺激する内容にした」と話す。
同イベントでは現在活躍中のDJが日頃の腕を披露し、アートイベントでは路上でのパフォーマンスを行い、多くの人が足を止めた。前回も訪れた観客も多く、「こういうアートイベントは続いてほしい」との声も。商店街関係者も「若い人たちが集まってきてくれて商店街が活気づく。確実に世代交代している」と話す。
Sakaiさんは同イベントの今後について、諸外国の地域音楽活動の観点から「芸術集団や音楽レーベルが旗振りになり、一つの街・地域ごとに特色のあるシーンが形成される例がとても多い。日本では1990年代以降、渋谷から下北沢周辺でさまざまな文化的ムーブメントが生まれたが、そうした動きをアートと下町文化がひしめくこの東東京で生み出していけたら。そして、清澄白河のアートコンシャスな雰囲気とは異なる下町ならではの見せ方を確立していきたい」と意気込む。