亀戸の銭湯「天神湯」(江東区亀戸3)で、道路を徘徊(はいかい)していたカメが多数保護され、入浴客からも親しまれている。
店主の入倉信子さんは「天神様の池のカメが外に出て産卵し、かえったカメではないか」と分析。同銭湯は「亀戸天神社」(同)に近く、以前からふ化したばかりの子ガメが、自動車の被害に遭うことがしばしば目撃されていたという。
最初に保護したのは17年前。当時小学生だった入倉さんの息子が、近所の路上で見つけた約2センチの「クサガメ(別名ゼニガメ)」を保護し、飼い始めたことがきっかけ。もともと、家族全員動物好きであることから、その後も、路上で子ガメを発見したら保護しているという。
現在は4匹を飼育。男湯にはミドリガメが1匹、女湯にはクサガメが3匹、共に脱衣所のポリケースの中で飼われている。脱衣所の温度に敏感で、冬は暖房をつけるため完全に冬眠することもなく、夏は冷房で水温も低くなるため、動きが鈍くなることもあるという。ミドリガメは凶暴で警戒心も強いが、クサガメは人に慣れていて餌やりを手で行うこともできる。
カメのご利益について、入倉さんは「去年、初めて買った宝くじで3,000円が当たったことかしら」とほほ笑む。
営業時間は15時30分~21時。水曜・土曜定休。入湯料(大人)は460円。