江東区役所(江東区東陽4)に隣接する「防災センター」屋上で5月20日、区の養蜂事業初の採蜜が行われた。
2013年度の「江東区職員等提案制度」から事業化した養蜂。東京23区内の自治体で初の試み。速水俊成さんはじめ、江東区職員19人と「エコリーダーの会」2人を含めた21人で「江東区ハニービー・プロジェクト(通称ハニプロ)」として活動している。昨年度、養蜂を行う民間企業や他団体での実地研修を行い、今年3月末、セイヨウミツバチ2万匹を飼い始めた。以来、週に1度、巣箱の内検を行っている。
飼育の過程で、1つの巣箱から女王蜂がいなくなるというアクシデントもあったが、新たな女王蜂が生まれたことで事なきを得たという。4月末に新たに1万匹を迎え、現在はおよそ3万匹で活動中。
朝9時、採蜜作業開始。巣箱から巣脾枠(すひわく)を取り出し、丁寧に蜜ぶたを切り取っていく。1枚の巣脾枠におよそ2キロのハチミツが詰まっているという。その後、遠心分離機に巣脾枠を固定し、ふたを閉めて人力でレバーを回していく。今回は巣箱2箱、10枚の巣脾枠から計18キロのハチミツを収穫した。糖度は82度。
山崎孝明江東区長も同作業に駆け付け、遠心分離機のレバーを回した。採れたてハチミツを試食した山崎区長が「これはうまい、うまいよ」と歓声を上げると、立ち会った職員などからは拍手が湧き起こった。時期的にサクラ、フジ、ツツジの花の蜜ではないか、と予想されることもあり、山崎区長は「特定の花のハチミツはどこか癖を感じるが、これは雑蜜というのか、全く癖がなく、まろやかな味」と驚き、「提案制度から事業化し、実現した。感動だ。江東区のハチミツは日本一」と声を大にしてほほ笑んだ。
事業発案者の秋葉智実さんは、「初採れ」を試食して、「しつこくない、あっさりとした甘さ。メンバー皆、養蜂未経験で、実際育てながら『あれも必要、これも必要』とバタバタしていたが、知らないうちにちゃんと育ち、ハチミツを採ることができた。ただただビックリしている」と驚きを隠せない。速水さんは、「今までいろんなところで採蜜を経験したが、自分たちで育て、採ったハチミツは格別。右往左往しながら取り組んでいたが、こうやって成果が出るとやっぱりうれしい。そしておいしい」と感慨深い様子。
8月いっぱいまで定期的に採蜜を行うという。