「ティアラこうとう」(江東区住吉2)で5月24日、「柳家花緑の落語バレエ」が行われる。
同館の職員がもともと落語好きであったことから発案。落語とバレエ「双方のファンに双方の魅力を伝えたい」と企画を立案し、柳家花緑さんと「東京シティ・バレエ団」(住吉1)に提案。バレエダンサー・小林十市さんを兄に持つ花緑さん自身も、幼少期にバレエを習っていたことから、バレエへの解釈も深く、今回のコラボが実現した。
演目はクラシックバレエの名作「ジゼル」。身分違いの恋に加え、相手に婚約者がいた悲劇から命を落とす村娘・ジゼルと、罪の意識に苛(さいな)まれ、深い森にある彼女の墓所に向かうアルブレヒトの「生と死」「真実の愛」の物語で、現世で報われなかった娘が精霊となり、森に迷い込んだ若い男性を踊りながら呪(のろ)い殺すという、ドイツの「ウィリー」伝説をなぞらえた作品。
花緑さんは舞台を江戸に置き換えて「おさよ」という落語版を創作。話術の芸術「落語」と、言葉を発さない芸術「バレエ」。同バレエ団・理事長の安達悦子さんは「『ジゼル』も『おさよ』もそれぞれ大切な作品。それぞれの良さが伝わるような舞台」と話し、互いの世界を壊さず、尊重するコラボレーションが考えられた。当日は切れ目無く、落語とバレエがつながりながら交互に演じられ、花緑さん自らが熱演する。「世界で初のコラボレーション」と花緑さん。
安達さんは「『ジゼル』とはダンサーによって解釈が異なる部分があるが、花緑さんと私たちは物語の『芯の部分』の解釈が同じ。なので、視覚的なコラボというより、感動や受ける印象のコラボ」と話す。「最初は難しいのではないか、と思ったが、花緑さんも交えた舞台稽古を見た時、息がピッタリとあってとても素晴らしい作品に仕上がった。『バレエは敷居が高い』などと言われるがこの作品はぜひ見てほしい」と力強く呼び掛ける。
開場は14時30分、開演15時。観賞料は3,400円(江東区民は3,200円)。全席指定。