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東京都現代美術館で「山口小夜子 未来を着る人」展 アジア人初の世界トップモデル

「三宅一生『馬の手網』を着た小夜子」 撮影:横須賀功光 1975年

「三宅一生『馬の手網』を着た小夜子」 撮影:横須賀功光 1975年

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 東京都現代美術館(江東区三好4)で4月11日から、展示「山口小夜子 未来を着る人」が開催される。

「資生堂 舞」ポスター

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 1970年代初頭より、アジア人初のトップモデルとして世界の舞台で一世を風靡(ふうび)するとともに、国内に向けても日本女性の新たな美を提示した山口小夜子さん。山口さんが晩年の数年間、若い世代の表現者と、ファッション、音楽、映像、演劇、朗読、パフォーマンス、ダンスなどが混在する実験的な試みを行っていたことは、これまで十分に紹介されていない。同展では彼女の生涯を振り返りつつ、常に時代の先端を走り続けた姿を紹介し、世界を視野に独自性を形成する70年代以降の日本文化の重要な側面を明らかにしている。

 同展は2つの要素で構成。1つは、コラボレーションを通じて、世代やジャンル、東洋と西洋、オーバー・グラウンドとアンダー・グラウンドなど、異なるものをつなぎ、山口さんが「SAYOKO」というジャンルを打ち立てたといえる軌跡をアーカイブからたどるもの。もう1つは、彼女の身辺で活動した後、大きな影響力を持つようになった先端的な表現者が、山口さんにささげる新作インスタレーションを発表するもの。参加アーティストは、宇川直宏さん、山川冬樹さん、生西康典さん、掛川康典さん、エキソニモさんなど。急逝の直前、新聞紙上で往復書簡を予定していた森村泰昌さんも作品を発表する。自らリメークし愛着を伝える旧蔵の服など、「ウエアリスト(着る人)」と名乗った山口さんの美意識も垣間見える内容となっている。

 会期中には、パフォーマンス、トークをはじめ、「小夜子になれる」各種ワークショップなども開催。展覧会担当学芸員の藪前さんは「小夜子の声、姿、気配が充満する空間で、彼女のまだ終わらない物語をぜひ体感してもらえれば」と来場を呼び掛ける。

 開館時間は10時~18時(入場は閉館の30分前まで)。月曜休館(5月4日開館、同7日休館)。観覧料は、一般=1,200円、大学生・65歳以上=900円、中高生=600円、小学生以下は無料。6月28日まで。

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