亀戸梅屋敷(江東区亀戸4)で3月7日・8日、「江戸切子 新作展」が行われる。主催は、江戸切子協同組合。
1985(昭和60)年に「東京の伝統工芸品」として都から認定を受けたことから、職人の技術向上とデザインの開発を目的としたコンクールとして企画された同展。今年で27回目を迎える。ガラス素材やテーマに制限はなく、切磋琢磨(せっさたくま)の場として年に1度、同組合員が自由に出展・参加する。今年は26作品がエントリーした。
審査会は2月20日に開催された。審査員は、経済産業省の職員や美術評論家、ガラス工芸作家など6人。審査のポイントは、「素材」「デザイン性」「技術」。各審査員はそれぞれの立場・視点から、投票と白熱した話し合いを繰り返した。終了時間を20分ほど押して、1位の「経済産業省商務情報政策局長賞」に石塚春樹さんの「倶利」の他、入賞10作品が決定した。
出展者を前にした審査員からの講評では、手厳しい指摘も。どの審査員も口をそろえて「新作か否か」というところを重要視したと話す。ガラス工芸作家の林亘さんは「今までにない、新しいものを作る」という意思が大切。伝統は変化していくもの」と話した。
出展者から、「テーブルウエアなどの『製品』が『作品』として審査されるのか」という質問も上がり、審査員からは「新作」という視点では難しいとの意見が出た。
同展では、入賞作品の解説や、小皿に模様をカットする「江戸切子体験ワークショップ」も行われる。同組合・副理事長の渡辺隆三さんは「職人の新作をぜひ見て、ワークショップで体験し、江戸切子にもっと親しんでほしい」と話す。
開催時間は10時~17時。入場無料。ワークショップの参加料は1,000円(18歳未満は無料)。