亀戸にある龍眼寺(りゅうげんじ、江東区亀戸3)で現在、萩の花が見頃を迎え、訪れる人の目を楽しませている。
亀戸七福神の「布袋尊」をまつる同寺の創立は1395年。1693年に当時の住職・元珍が境内に萩を植え、さらに1770年に住職・義梅が植え足し、この頃から「萩寺」として親しまれた。江戸名所の一つとして、江戸時代の地誌「江戸名所図会(えどめいしょずえ)」にも描かれている。
境内には、しだれる枝が特徴的な宮城野萩や、葉の形が楕円形の丸葉萩など数種類植えられている。0.6~1センチほどの小ぶりな赤や白の花を咲かせている。
今年すでに2回訪れたという30代女性は「芥川龍之介の作品『本所両国』の中で、芥川が実際に萩寺を訪れたというエピソードを読み、8月下旬に初めて来た。花びらは大きくないが、見事に満開となりとてもきれいで、何度も訪れてしまう」と話す。
例年、彼岸前後から10月にかけて見頃を迎える。同寺によると「敷地内でも場所によって開花がまちまちで、あと1週間は楽しめそう」と話す。