森下文化センター(江東区森下3)で8月20日、施設のリニューアルオープンを記念した「のらくろまつり」が行われた。
「のらくろ」とは、大日本雄辨會(だいにっぽんゆうべんかい)講談社(現・講談社)の雑誌「少年倶楽部(くらぶ)」で1931(昭和6)年から連載され、日本アニメーションの黎明(れいめい)期を支えた漫画家・田河水泡の作品といわれている。
「のらくろ」をテーマにした模擬店やワークショップが開かれた同イベント。田河の弟子に当たる「のらくろトリオ」の一人、山根青鬼さんによる「のらくろお絵かき教室」も行われた。
山根さんは貼り出した模造紙に墨と筆でスラスラと「のらくろ」を描きつつ、「紙はいっぱいあるから何枚でも描いて」と子どもたちにやさしく話したが、描き上がった絵を見た会場からは「すごーい、描けるかな」という声も上がった。
積極的に子どもたちのテーブルを回る山根さん。女児から「ピンクののらくろがチューしてる所を描いて」というリクエストに、「まだ早いよ」と答えるも、数分後には「チューしてるところは初めて描いた」と照れた笑顔を浮かべた。
自由に絵を描く子どもたちを見守っていた同施設の小林徹さんは、「午前中、台風の影響で出足が悪かったが、雨が上がると同時にいっぱい人が来てくれてほっとした」と胸をなでおろし、「のらくろと共に、この場所が地域に愛される施設になってほしい」と期待を込める。
同館ロビーでは現在、プロの漫画家たちで結成された山根青鬼一門会による特別展「のらくろのいる風景2016」を開催中。江東区内を舞台に、作家ごとに特徴ある「のらくろ」作品を展示している。
開場時間は9時~21時。入場無料。8月31日まで。