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東陽町のギャラリーで「美の壺」展 放映10周年を記念して

再現された「佐々木邸」の洋間

再現された「佐々木邸」の洋間

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 竹中工務店東京本店(江東区新砂1)1階にある「GALLERY A4(ギャラリーエークワッド)」(TEL 03-6660-6011)で5月25日、「『美の壺』 和モダン・暮らしと憧れ展」が始まった。

息をのむ超絶技巧

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 NHK BSプレミアムで放映中の番組「美の壺」。「アート観賞マニュアル」として、暮らしに根づいた美を追究する番組として人気を博している。今回、放送10周年を迎え、「今までの映像コンテンツを何らかの形で立体にしたい」とNHKスタッフから同ギャラリーに打診があったことから開催が実現した。

 「367ファイルと膨大なコンテンツをどう展示するかが難しかったが、このギャラリーのテーマである『建築』や『暮らし』に特に注目した」と副館長の岡部三知代さん。会場には同番組の年表や、カテゴリー分けされた展示タペストリーが揺れる。

 圧巻の展示は「File162 昭和レトロの家」から「和モダンな暮らし」の再現として、練馬区に現存する1934(昭和9)年築造の日本家屋「佐々木邸」の同寸模型。客人を迎える洋間と家族がくつろぐ和室という、当時の憧れであり昭和期に広まった住宅様式を見ることができる。岡部さんは「NHKのスタッフが製作した。建具は本物だが、そのほとんどがフェイクで、経年を醸し出すエイジングなどさすがの仕上がり。番組制作の視点が生かされ、空間の切り取り方が大胆で面白い見せ方をしている」と話す。

 「憧れ」という切り口では「工芸」の世界に触れる。日本独自の発展を遂げた「切子」や、さまざまな木を巧みに組み合わせる「寄木細工」、明治以降、皇族の祝宴の記念品として贈答されてきた菓子器「ボンボニエール」などを展示。精緻な美しさを表現する。

 岡部さんは「ぜひ佐々木邸の縁側に座って、懐かしさと当時の人が感じた憧れに思いをはせてもらいたい」と話す。

 開館時間は10時~18時(最終日は17時)。土曜・日曜・祝日休館。入場無料。

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