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江東区を舞台にしたコンテンポラリーダンス、来春の公演に向けワークショップ

ホワイトボードに書かれた「ベンチ」の絵を元に、形状・素材感などを考えながら演出を進める大橋さん(左)

ホワイトボードに書かれた「ベンチ」の絵を元に、形状・素材感などを考えながら演出を進める大橋さん(左)

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 江東区文化センター(江東区東陽4)で11月8日・9日、江東区を舞台にしたパフォーマンスプロジェクト「ザ・ワールド」のワークショップが開かれた。

振り付けの様子

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 主催するダンスカンパニー「大橋可也(かくや)&ダンサーズ」は1999年結成。ハードコアダンスを提唱し、舞踊家・土方巽(ひじかたたつみ)さんを中心に形成された、日本オリジナルの前衛現代舞踊の様式「暗黒舞踏」の方法論をベースに、現代社会における身体のあり方を追求する。「舞踏譜(ぶとうふ)」と呼ばれる、テキストからダンスに落とし込んでいく手法を積極的に取り入れ、日本SF界を代表する作家・飛浩隆さんの長編小説「グラン・ヴァカンス」をダンス作品化し、2013年に発表。コンテンポラリーダンスの新境地を切り開いたとして評価を受けている。

 同プロジェクトの根幹は、2020年に開催される「東京オリンピック」に向けて変化する同区を舞台とするもの。ドラキュラのようなモンスターではなく、種族として共存を図る「吸血鬼」をモチーフに、「血液ではなく、土地の記憶を吸う」がコンセプト。「土地の記憶」とは、区民を取材し得られた回答のこと。これをテキストに興し、読み解き、ブレストしながら、大橋さん演出の下、身体で表現していく。「聞いた内容を栄養にして、作品にしていくイメージ」と大橋さん。

 ワークショップは11月15日・16日も開かれ、参加者は来年3月に行われる公演「ザ・ワールド シーズン2」に出演する可能性がある。

 8日に行われたワークショップには18人が参加。アッシュタンガヨガで体を温めた後、区内在住の90歳の女性から得られた回答を基にして作ったテキストを配布。大橋さんの朗読の後、参加者に質問をしながら1行ずつ読み解く。中には「このベンチはどんなものか」という問いに対して、タブレットで画像を検索し、参加者全員がイメージできるよう、大橋さんがホワイトボードに絵を描きながら素材感や形状などを細かく演出する場面も。

 大橋さんは「取材はごく一般の住んでいる人を対象に行った。これを機に『現代アートは取っつきにくい』という印象を少しでも緩和できれば」と期待する。

 「ザ・ワールド シーズン2」の公演は、2015年3月20日~22日=清澄白河から東陽町までの巡回型、3月25日・26日=同文化センターホールで予定。

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