脊髄を損傷し「生涯、車いす生活」を宣告された杉原紘人（すぎはらひろと）さんが9月1日、富士山登頂に成功し、9月25日に江東文化センター（江東区東陽4）で祝勝会が行われた。

　杉原さんは、日本初の脊髄損傷者専門のトレーニングジム「ジェイ・ワークアウト」（木場2）で、ストレッチ、トレーニング、リラクセーションのすべてを行う「パワープレート」で訓練し、歩行するまでに回復。「同じ障がいで苦しむ人に可能性があると希望を届けたい」と、杉原さんが富士山登頂にチャレンジする「杉原プロジェクト」が始まった。

　チャレンジ当日、「本来なら中止にする」と山岳ガイドが言うほど、暴風強雨の中での挑戦だったが、医師、看護師、山岳ガイド、トレーナー、アシスタントなど9人がサポートし、最高峰・剣ヶ峰（3776メートル）に到達した。

　杉原さんは「1年半かけてテスト登山を行ってきた。頂上に着いた時は初日から悪天候であっただけに喜びもひとしお。最後までけが人無く無事に下山できて大成功だった。このプロジェクトの成功で、同じく脊髄を損傷した人の希望となることができたと信じている」と力強く話した。