富岡八幡宮(江東区富岡1)で10月7日、大相撲・第71代横綱鶴竜(29、井筒部屋)の刻名式が行われた。
江戸時代の「江戸勧進相撲発祥の地」として知られた同神社。勧進相撲は江戸時代に「江戸三十三間堂」が焼け落ちた際、再建費を集めるため江戸幕府が相撲を公に認め、始めたもの。それ以前は相撲がばくちの対象とされ、斬り合いになることもあったそう。この江戸勧進相撲が現在の大相撲へとつながっていく。
同式典は「横綱力士碑」に横綱のしこ名を刻むもの。1900(明治33)年に境内に建立された石碑には、初代の明石志賀之助から日馬富士まで、歴代の横綱のしこ名が刻まれている。同日、鶴竜関は師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)らと参拝。その後、刻名式では金づちとノミを持った鶴竜関が3回、理事長が1回、同碑に自らのしこ名を刻み込み、その後「石五」という職人が仕上げた。
同神社の関係者は「強い横綱になってもらいたい」と期待を込める。「昇進後の3場所は優勝争いに絡めなかっただけに、11月からの九州場所に期待したい」とも。